東京ユニオン 早稲田大学支部(早稲田大学の教職員で結成)

早稲田大学が透明性のある職場となるようにがんばります

第1回裁判期日 8月22日 傍聴お願いします

2019年8月22日(木)13時15分 地裁709号法廷

傍聴支援をよろしくお願いいたします。

 

 東京ユニオン早稲田大学支部の組合員石井知章氏と東京ユニオンは、早稲田大学における教員の公募の問題をめぐってこの6月に東京地裁に提訴しました。

 

 90年代末以降、私立大学でも教員採用のさいには公募がよく行われるようになりました。より公正で透明な採用をおこなうという趣旨から、文科省がそれを推奨しているという背景があります。しかし2016年に早稲田大学のアジア太平洋研究科で行われた公募では、その選考の経過に疑念をいだいた応募者(原告となった石井氏)が、研究科の科長に事実確認を求めるという事態が発生しました。研究科の科長がその訴えを拒否したため、応募者は大学当局にも訴えましたが、それも拒否されました。もとより大学教員の採用にあっては、採用する側が選考の経過を明らかにすることはありません。

 

 しかしこの件にかんしては、内規違反の可能性があるという情報を、落選した応募者本人がつかんでいました。大学教員の採用はそれぞれの大学の学部や研究科が独自に行いますが、そのさいには定められたプロセスに従います。そこに問題がなければ何も言えません。しかしそこに疑念がある場合、それを晴らそうとすることは応募した者の権利であると思います。公募とはいってもあまりにも恣意的な選考が行われており、しかも応募者は採用してもらうという弱い立場にあるため、声も上げられずにいるのが日本の大学の実情です。今回原告となった本人は、すでに他大学で専任教員をしており、早稲田大学でも他学部で非常勤講師をしているということもあり、あえて大学を追及することを選びました。いろいろな組合に支援を頼みましたが、最終的に東京ユニオンが応じてくれ、東京ユニオン早稲田大学支部を立ち上げることになりました。

 

 東京ユニオン早稲田大学支部は大学側と2回団交をおこないましたが、大学側は非常勤講師の労働条件などについては団交に応じたものの、公募の問題については団交事項ではないとして交渉を拒否しました。それゆえ裁判に訴えることになりました。

 

 われわれの主張は公募をやりなおせというのではありません。すでに選ばれた候補者が優秀であることを疑うものでもありません。ただし、①大学は公募をやるからには公正と透明性を保障すべきである、②大学はこの問題にかんして団交に応じるべきである、ということを裁判でも主張していきたいと思います。この問題には、①日本の私立大学は大学としての自律性を失っている、②公募を推奨する文科省自体も政策をあやまっているという背景があります。私立大学においても文部科学省への忖度は働きます。さもないと私学助成費はもらえません。また文科省は90年代から任期制を導入するようにと言っていますが、公募に関してはなんの対策もとっていません。公募に応募する者は、膨大な資料を作成する時間と労力を要求され、たいていは落選します。多くの研究者の時間、労力、意欲を無駄にし、疲弊させているのが現在の公募制度です。文科省は、せめて公募における公正と透明性を確保するためのなんらかの全国的な仕組みを考えるべきでしょう。

 

 採用をテーマとした団体交渉拒否は、「無形の財産権の侵害」であるとして組合も共同提訴しています。

 

第一回裁判期日 傍聴支援よろしくお願いいたします。

2019年8月22日(木)13時15分 地裁709号法廷

 

早稲田大学の「公募制度の問題」と「採用問題の団交拒否」を問う

6月11日に早稲田大学を相手取り、提訴いたしました。

6月17日には記者会見も開きました。

大学教員採用における「公募制度の問題」と

「採用問題の団体交渉拒否」を問う

 

(経過)

A組合員は、2016年4月に早稲田大学アジア太平洋研究科専任教員の公募に応募した。公募の要件を十分に満たしているにも関わらず、一次選考で落とされ、二次面接に進むことができなかった。二次面接に進んだ3名の経歴と比較して、A組合員が落ちる理由は見つからず、落選理由の説明を求めたことが発端である。

A組合員は選考のやり直しを求めているのではなく、公正であるべき公募が適切に運用されず、不採用となった者に理由の開示をしないことを問題視している。また、理由のわからない不名誉な落選は研究者としての名誉を傷つけるものである。

また、大学は、義務的団交事項ではないとして話し合いすら拒否しているが、組合は労働者となろうとする者の権利も団体交渉の議題となりうると考える。

 

文科省が勧める公募制度の問題点)

公募とは文字のとおり、公に募るもので、公正性が問われるものである。しかし、実際行われている大学教員採用における公募は、今でも出来レースが少なからず横行し、はじめから採用する人物を決めていて、形式的に公募制度をとっているにすぎないというケースが多々見られる。採用したい人物が決まっているのであれば、俗に言う「一本釣り」をすればよい話である。大学が公募制度を使いたがるのは、文部科学省の方向性に合わせようとする大学の忖度が働いているのである。応募する者は、膨大な資料を作成する時間と労力を要するが、応募するだけ無駄で落選する。多くの研究者の時間、労力、意欲を無駄にし、疲弊させていくのが、現在の公募制度である。昨年問題となった「東京医大の女子学生の入学人数抑制」と同様に、応募する前から結果が決まっているのである。

 

(団体交渉権は無形の財産権)

 早稲田大学は、現在非常勤である者に常勤採用の説明は必要なく、採用の自由があるから公募における採用過程は説明しないとし、団体交渉の議題としないとした。しかし、今回の採用は公募であり、非常に高い要件を課し、それを満たしたにも関わらず一次選考すら通過しなかったことに関しては、疑義をもたないほうが不思議な状況であった。非常勤が常勤となり、研究活動を行うことは研究者としての将来をかけてのことで、今までの実績を評価されるのであるから、理由の説明を求めることは当然である。現在非常勤である者が、常勤となろうとする際の過程、評価内容を議題とする団体交渉は開催されるべきであり、それを可能としない事は無形の財産権を侵害しているものとなる。

 

大学教員となるべく公募に応募する研究者、ポスドクの大多数が同様のことを問題視してきました。

大学の教員採用の現場で表に出なかった公募制度にスポットを当てることと、労働者となる者についての団体交渉応諾の問題を社会的にお知らせし、問題提起を行いたいと考えております。

 

 

 

 

 

 

第1回団体交渉開催さる!

 

第1回団体交渉開催さる!

 

2019年1月9日に早稲田大学早稲田キャンパス)大隈会館にて団体交渉を開催した。

 

大学側は平越弁護士(第一芙蓉法律事務所)を筆頭に11名(人事部、総務部)、組合側は岡山支部長、石井支部書記長、渡辺執行委員長、志賀書記長、高井顧問の5名が出席し団交に臨んだ。

 

団交冒頭では、渡辺執行委員長が挨拶を行い、約1時間半に及ぶ団交となった。

 

組合要求概要と大学の回答概要は以下のとおり。

 

1、①憲法や労組法などの法令順守をし、不当労働行為を行わない事の労使協約の締結を求める。

 

大学回答 →合意する事項ではないので応じかねる

 

②組合員の労働条件の変更、解雇や、事業所閉鎖など行う場合は、変更可能な時期に組合と協議し同意を得てから実施する。事前協議のみでもよいと再提案したが。

 

大学回答 →これからの経営などを鑑み、急に行うこともあり、その都度協議はできないし、事前同意はできない。常にすべてのケースでの事前協議はできないし、他の組合とも締結していないので応じかねる。

 

組合見解 →法令順守すら協定化せず、労働条件の変更は事前に話し合うことすら拒否し、組合を認めようとしない大学の態度は明らかです

 

2、労働条件関連の諸規程を組合に明示し手交すること。

 

大学回答 →職任のときに送っている。マイワセダのコンテンツで組合員が入手し共有化すればよいので、組合に対して手交はしない。

 

組合見解 →組合と大学という団体同士で基本的な規程の共有を求めたのであり、組合員が入手できるから渡す必要がないというものではありません

 

3、組合活動への便宜供与

組合掲示板の設置、印刷機コピー機の利用、鍵のかけられる書類等保管用ロッカーの貸与を求める。

 

大学回答 →人事部に申し込むことでポスティングにてビラを配布することができるので開示版の設置には応じられない。コピー機など利用は応じられない。組合事務所は他の組合には便宜供与しているが、少人数なので提供の必要性を感じないし、ロッカーの貸与も応じられない。

 

組合見解 →コピー利用にあたり、用紙代など費用負担を組合は提案しているにも関わらず応じず、組合活動を実質的には認めたくないことを明確に感じました

 

4、休日出勤の際の休日プレミアムの支給を求める。

 

大学回答 →業種ごとの特性があり、裁量があって休みがとりやすいのではないか。また、必要カリキュラムをこなすためには祝日であっても月曜日に開講する。プレミアム(割増)には応じられない。

 

組合見解 →コマ数であちこち掛け持ちで講義している非常勤にとって、祝日は家族と過ごす貴重な日であり、振替休日だけでなく、休日割増の支給を求めているものです

 

5、非常勤講師にはロッカーなどもなく、教員控室のメールボックススペースが非常に少なく、資料などを入れるために、専任教員と同程度のスペースを与えること。

 

大学回答 →連絡物を入れるためのメールボックスであり非常勤講師は薄くなっているが、ものを入れるためではないので、不都合がある認識はないので応じかねる。

 

組合見解 →非常勤講師は研究室もなくロッカーもないため、授業で使う資料を紙袋に入れて持ち歩き、控室の壁際に並べて置くような、劣悪な環境にあります。学生のために作成した資料、常備しておく最低限の文具などを収納できるスペースの確保は、授業に支障を来さないためにも必要なものであると組合は考えます。

 

6、教室に使途不明のカメラが設置されているため、使用目的と使用方法を説明すること。

 

大学回答 →カメラは3号館にあるが、事前に利用予約をして使用するもので、コースナビのコンテンツで使うためのものであり、常時起動しているものではない。マイワセダの中のITサービスナビに使い方が記載されている。

 

7、「公募」制度により、大学院アジア太平洋研究科で行われた専任教師採用の際の選考過程を明らかにすること。きわめて厳しい募集要項の応募条件を満たしている組合員が一次選考から排除されたことは、極めて不自然であり、透明であるべき「公募」がブラックボックスとされ恣意的な運用がされていることを組合は問題視している。

 

大学回答 →成立していない労働契約なので、そもそも団交議題ではない。採用過程は正しいものであると認識している。開示の必要性はない。

 

組合見解 →優秀な教員の採用をすすめ、公平公正であるべき公募制度で、不祥事に近い選考過程について組合は追及しました。大学は「義務的団交事項」ではないことを全面に振りかざしてきます。しかし、公募制度が大学の規程にも反する実態で運用されていることを指摘しているのであり、大学自ら襟を正して対応するべきです。

 

早稲田大学にユニオン結成!

2018年11月22日に早稲田大学に通告!

早稲田大学に勤める教員たちで、「東京ユニオン 早稲田大学支部 」を結成し、大学に通告しました。

 

要求内容

「休日プレミアム(割増)の支給」

「(専任と非常勤との公平な)メールボックスの提供」

「組合掲示板の設置」

「書類保管用のロッカーの貸与」

「教職員採用の際の公募制度の透明性」など

 

一昨年4月、早稲田大学大学院の教授職採用にあたり、公募が行われました。当ユニオンの組合員は、極めて厳しい応募条件をすべて満たしていたにも関わらず、採用面接も行われないまま、不採用となりました。

 

最近の国公立・私立大学の教員公募制では、後任人事に前任者が関与することを禁じることが通例となっています。しかし、今回早稲田大学で行われた公募では、前任教授が内規に違反してまで選考過程に関与し、前任者のお気に入りが候補者としてすでに決められており、選考過程を終始コントロールしていた疑いが濃厚です。

 

医大受験での入り口差別と同様、恣意的な公募であると考えます。

 

今後、早稲田大学を教職員が働きやすい職場にしていくために活動していきますので、皆さんのご支援とご協力をお願いいたします。