東京ユニオン 早稲田大学支部(早稲田大学の教職員で結成)

早稲田大学が透明性のある職場となるようにがんばります

早稲田大学の「公募制度の問題」と「採用問題の団交拒否」を問う

6月11日に早稲田大学を相手取り、提訴いたしました。

6月17日には記者会見も開きました。

大学教員採用における「公募制度の問題」と

「採用問題の団体交渉拒否」を問う

 

(経過)

A組合員は、2016年4月に早稲田大学アジア太平洋研究科専任教員の公募に応募した。公募の要件を十分に満たしているにも関わらず、一次選考で落とされ、二次面接に進むことができなかった。二次面接に進んだ3名の経歴と比較して、A組合員が落ちる理由は見つからず、落選理由の説明を求めたことが発端である。

A組合員は選考のやり直しを求めているのではなく、公正であるべき公募が適切に運用されず、不採用となった者に理由の開示をしないことを問題視している。また、理由のわからない不名誉な落選は研究者としての名誉を傷つけるものである。

また、大学は、義務的団交事項ではないとして話し合いすら拒否しているが、組合は労働者となろうとする者の権利も団体交渉の議題となりうると考える。

 

文科省が勧める公募制度の問題点)

公募とは文字のとおり、公に募るもので、公正性が問われるものである。しかし、実際行われている大学教員採用における公募は、今でも出来レースが少なからず横行し、はじめから採用する人物を決めていて、形式的に公募制度をとっているにすぎないというケースが多々見られる。採用したい人物が決まっているのであれば、俗に言う「一本釣り」をすればよい話である。大学が公募制度を使いたがるのは、文部科学省の方向性に合わせようとする大学の忖度が働いているのである。応募する者は、膨大な資料を作成する時間と労力を要するが、応募するだけ無駄で落選する。多くの研究者の時間、労力、意欲を無駄にし、疲弊させていくのが、現在の公募制度である。昨年問題となった「東京医大の女子学生の入学人数抑制」と同様に、応募する前から結果が決まっているのである。

 

(団体交渉権は無形の財産権)

 早稲田大学は、現在非常勤である者に常勤採用の説明は必要なく、採用の自由があるから公募における採用過程は説明しないとし、団体交渉の議題としないとした。しかし、今回の採用は公募であり、非常に高い要件を課し、それを満たしたにも関わらず一次選考すら通過しなかったことに関しては、疑義をもたないほうが不思議な状況であった。非常勤が常勤となり、研究活動を行うことは研究者としての将来をかけてのことで、今までの実績を評価されるのであるから、理由の説明を求めることは当然である。現在非常勤である者が、常勤となろうとする際の過程、評価内容を議題とする団体交渉は開催されるべきであり、それを可能としない事は無形の財産権を侵害しているものとなる。

 

大学教員となるべく公募に応募する研究者、ポスドクの大多数が同様のことを問題視してきました。

大学の教員採用の現場で表に出なかった公募制度にスポットを当てることと、労働者となる者についての団体交渉応諾の問題を社会的にお知らせし、問題提起を行いたいと考えております。